親バカ父ちゃん子育て日記
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2月1日 今までこんな事で涼子は笑ったことがなかったのですが、自分で女房の事を
”おばさん” と呼び間違えて、けたけた笑っていました。笑う内容がいつもより大人びて
いたので、我々大人はびっくりしてしまいました。今までは体を使った笑いが多かったの
ですが、少しは頭を使えるようになったようで、少しは楽になるでしょうか・・・。
2月2日 長野県の南部、駒ヶ根の方からご家族がお見えになっています。奥さんと女
房が駒ヶ岳などの山の話から、北海道の利尻岳の話になったそうです。稚内や利尻の
食事の話になり、新鮮で美味しいと女房がお客さんに話すと、奥さんの方は、私は木島
平がいいと、びっくりりえたんがいいと、言ってくれたと言うのです。なんか嬉しいじゃない
ですか。北海道の新鮮なものもいいけど、うちの食事もそこそこいけてるなんて・・・。て
れるなぁ。しかし涼子が、いつもミルクばかり飲んで、多くのおかずを残すのはどうして
だ?
2月3日 涼子は未だにトイレでウンチができません。節分で女房が鬼の面の付いた
豆を買ってきました。昔話の絵本の中で多くの話に鬼が出てきて、涼子は鬼を最初は
怖がっていたのですが、最近はなんだかおもしろがっていたような感じがありました。と
ころが鬼の面は涼子にとって随分怖いものであるらしく、テーブルに置いてあるだけで
その側には近づかないほどです。そこで今日ウンチが出ると、いつものように言ったの
で、トイレでウンチをしないと鬼が来るよと言うと、涼子は意を決して、”トイレでウンチす
る” と勇んで行ったのです。便座の上に子供用の便座を置き、さぁがんばれと涼子の
前にしゃがみ、涼子が倒れないように体を支えて、ウンチが出るのを待ってはみたので
すが、やはりウンチは出ません。”どうしてお父さんは、りょこたんと一緒にトイレにいる
の?” だとか、”せっせっせぇ、しよう!” だとか、全くウンチに集中しません。こら、あ
かん!と10分程度がんばったのですが、鬼の効果はむなしく敗退しました。いつになっ
たらできるかなぁ???
2月4日 お昼頃から涼子は、近所の友達の家に遊びに行きました。半時間経って、1
時間経って、1時間半経って女房や母が代わるがわる迎えに行きましたが、遊びに熱中
しているらしく、帰ってきません。母と女房とボクの3人は、片づけを終えてどうも手持ち
ぶさたなのは、涼子がいないからだと気づきました。3時頃ようやく帰ってきた涼子は、ミ
ルクを一気飲みした後、何かに吸い込まれるように眠ってしまいました。夕方から食事
のお客さんがお見えになり、その中に涼子と同じ年の女の子がいて、またハッスル時間
が訪れました。店の営業も終え、晩ご飯を食べ始めました。まだまだ遊び足りないのか
今度はボクの顔で変な顔を作っては大笑いをし、肩に背中に乗ってきて、ごはんを食べ
させてくれません。風呂に入れた後、かなり疲れていたようで、またまたミルクを飲み、テ
レビの音が聞こえているはずなのに、眠ってしまいました。涼子を布団の中に運び、そ
の場から離れようとすると、”父さん、どこ行くの?一緒に寝よぅ!” と呼び止められまし
た。精一杯遊んでいる涼子に、まだ少しは頼りにしてもらえているようで、こんな日があと
幾日くらい続いてくれるのかと・・・、やはり人生は短すぎます。
2月5日 昨日のテレビで、東京都知事の石原さんが出ていました。ボクとしては嫌いな
政治家ではないのですが、どういう訳かいつも話半分に聞いているところがあります。3,
40分の出演だったかと思うのですが、彼が話していた中で一番印象的だったのは、総
理大臣をやれと言われたらやりますかという問いに、総理大臣をやるには年をとりすぎ
た、という趣旨の話がありました。照れくささを隠すための発言だったのかなぁ、と思いま
したが、どういう趣旨にせよ、何をやるにしても旬の時期が人間にも確実にあるような気
がしたのです。例えば結婚をする時期や、子供を育てる時期なども旬の時期があるよう
に思います。ボクなどは、人生をなめていたようなところがあり、フラフラしていた時期が
長く、結婚は遅くなりました。故に子供もできるのが遅くなりました。商売をするにしても
業種によっては若いときでないと、うまくいかないものや、ある程度の年にならないとダメ
なものもあるのでしょう。今ボクが心の奥底から、よっこらしょと引っぱり出し始めている
ものがあります。これはもうしばらく眠らせていてもよいものかもしれません。しかしなが
ら、考えようによっては、現在から後数年が旬の年になるのかもしれません。40歳半ば
になってからやろうとすると、・・・をやるには年をとりすぎたと考えてしまうかもしれませ
ん。絶対に後悔のないように行動しなければなりません。そうです。やはり人生は短すぎ
るのです。
2月6日 強者を見ました。昨日上越市内の温泉に行ったのですが、お父さんが4人の
子供をお風呂に入れていました。推定ですが、10歳、7歳、4歳、1歳ってとこでしょう
か。1歳のチビちゃんを除き、彼らはみんなお父さんの言うことをよく聞いていました。た
いしたものだなぁと感心してしまいました。今まで自分のことを自分でできない年齢の子
供を、風呂に入れているお父さんは、本当に数えるほどしか見たことがなかったのです
が、あのお父さんはいつ頃から、みんなと一緒にお風呂に入っていたのでしょうか。恐れ
入りました。
2月7日 最近涼子は母に絵本をよく読んでもらっています。涼子のお気に入りは、シン
デレラ、人魚姫、親指姫などよりも、金太郎や桃太郎、一寸法師などなのです。読んでも
らうと、涼子はその気になって、はちまきを巻けだの、刀を作れだのと、精一杯低い声に
抑えて、我々親に注文します。低い声で ”鬼たいじに行くぞ!” と勇んで歩いているか
と思うと、これまた低い声で、”だっこをしてくれ!” などと桃太郎らしからぬ事も平気で
言います。先日宿泊に来てくれた4歳の女の子などは、シンデレラのビデオの見過ぎだ
とかで、それはそれは柔らかいきれいな言葉で話していたのに、涼子と言えば、勇まし
い言葉ばかりなので、これまた笑ってしまいます。
2月8日 国会の予算委員会を見ていました。KSD問題や外務省の機密費の横領問題
など情けなくなる話ばかりです。首相をはじめ外務大臣やその他の大臣。顔つきと態度
の偉そうさは誰にも負けない与党の連中。こんな奴らにボク達が一生懸命働いて稼いだ
お金の大部分を税金で持っていかれ、こいつらの給料の一部になっているのかと思うと
本当に情けなくなりました。働けば所得税でやられ、家を買えば固定資産税でやられ、
物を買えば消費税でやられ、貯金をすれば地方税でやられ、親からお金をもらえば贈与
税でやられ、人が死ねば相続税でやられ・・・、その他、国民年金や健康保険税など思い
出せるだけでもこんなにあって、いずれのひとつとて、滞納などしたこともなく、まじめに
納めてきたボクを含め多くの善良な一般庶民はアホですか???日本をどこまでも果て
しなく悪くしているのは、予算委員会のあの現場で、ボクのような政治の素人にもわかっ
てしまう、言い逃れしかしていないおっさん達にほかならないのではないでしょうか。少年
犯罪や、先日の日本各地であった多くの成人式でのごたごたなど、ジサマ連中は若いこ
れからの人たちを批判することなどできるはずもありません。仕事があろうがなかろうが、
9時から5時まで現場にいて、それで暮らしが成り立っているような連中に1円の金も持っ
て行かれたくないし、税金の使い方を工夫するなどできるはずがありません。
2月9日 体が少し楽だなぁと感じていたのですが、それはここしばらく大雪がなく、機械
を使うほどの除雪作業がないためのようです。除雪作業さえなければ冬のシーズンは、
そんなにつらいものではありません。除雪作業があるがために、本来の宿泊業務のない
日であっても、仕事ができてしまい、休む時間がなくなってしまうのです。この仕事は本当
に体力勝負であるので、除雪作業は体にこたえます。もう雪は舞う程度にしてもらえれば
ありがたいのですが、まだ少し降るはずです。除雪をしたところで、太った体がスリムにな
るわけではなく、このまま春になってくれればなぁ〜。
2月10日 1ヶ月の間宿泊してくれていた若者3人が、今日チェックアウトされました。
ボクは自分のスタイルとして、自分からお客さんにはほとんど話しかけたりはしません。
もちろんお客さんの方から話しかけられれば、当然、話すことはありますが、お客さんの
空間に自分から割り込んで、入っていくことはまずありません。もちろん愛想悪くすると
言うことでもなく、挨拶などはハキハキするのは当たり前ですが・・・。この若者達に対し
ても例外ではなく、ボクはほとんど話はしませんでした。しかしながら、1ヶ月も同じ家の
中に暮らしていると、いくら話をしないと言っても、なんだか家族の一員になったような気
がします。涼子などはよくお兄ちゃん、お姉ちゃんに遊んでもらっていました。ふと駐車場
を覗くと、いつもの車が今日は停まっていないので、出かけたかな?と思うのですが、帰
ってしまいました。寂しく感じますが、またお会いできると思います。明日からまたがんば
ってお仕事、続けてください。
2月11日 久しぶりに一日中仕事をしていました。腰から下がだるくて仕方ありません。
女房にも母にもそんな話をすると、みんな疲れたと言ってました。そんな中、ひとり元気な
のが涼子です。自分たちの食事の用意を少なからず、手伝ってくれます。箸を並べたり、
ごはんを運んだりとほんの少しですが、手伝えるようになりました。これから少しは戦力に
なるでしょうか・・・。
2月12日 よく来て下さるお客さんが、グラスにストローを入れてぶくぶくと泡を立てて、
涼子に同じ事をやってみるようにと、おもしろがって言いました。涼子はすぐさまその人に
対して ”お父さんに怒られるからやらない” と言ったというのです。また、父と電話で話
していた涼子が父から ”パチンコに行くお金ちょうだい” と言われたのに対して、”お父
さんのお金大事だからダメ!” と言いました。ボクから叱られることや、お金は大事なも
のだと話していることなど、気にもしていないと思っていたのに、覚えているのです。涼子
なりにボクのしていることや、言っていることは吸収しているようです。ますますバカなマネ
は、できなくなってきました。
2月13日 最近涼子はよく人の話を聞いているようです。と言っても多くがつまらないこ
とですが、ボクが父と子供の頃に風呂に入った話や、幼稚園で歌を教わった話などをす
ると、よく興味深そうに聞いていて、その同じ話を何度でもさせるのです。そして何かの折
にそのことを思い出して、”お父さん、じっちゃんとお風呂はいるとき、どんな歌唄ったん
だっけ?” とか ”お父さんは幼稚園でお風呂の歌習ったの?” とか会話を始めます。
また、先日渋温泉に行ったとき、お寺の側に大きな獅子が飾られていました。その獅子
についての説明書きを読んで聞かせました。家に帰ってきて、獅子舞の話になり、”獅子
がいるところは、死んだんだよ” と訳の分からないことを言うので、”なんやそれ?” と
言うと、”渋温泉の獅子のことやン” と女房に言われ、そう言えばずっと昔、渋温泉界隈
に病気が流行り、死人が多く出たので、獅子を飾ったところ病気が治ったという事を読ん
で聞かせていたのを、涼子は覚えていました。大人などは忘れているような事でも覚えて
いるようなのです。だんだん記憶力も発達していくようなので、きちっとした話をしないこと
には、ボクも涼子に笑われてしまいそうです。
2月14日 よいお天気で、涼子は母と女房と3人でゲレンデに遊びに行ったようです。
大きな犬を飼っている宿があり、その側を通りかかったその時、犬が散歩に出かけると
きで、喜んで玄関から飛び出し、前を歩いている涼子の周りの臭いを嗅いだというので
す。とっさのことで、涼子は驚いてしまい、目に涙をためて、泣き出したらしいのです。買
い物から帰ってきたボクに涼子は、怖かった体験を何かと悲しい表情で話してくれまし
た。犬好きの涼子だったのですが、これからどうなることやら・・・・・。
2月15日 長野県最北部にある栄村の、百合居温泉に行ってきました。プレハブで作
られた本当に素朴な温泉施設です。入浴料も100円でとってもお得な温泉です。涼子は
久しぶりに、女房と母と女湯の方に入りました。狭い温泉なので、男湯の方でも女湯での
人の声がぼわ〜んと聞こえてきます。普段なら涼子の声がよく聞こえてくるのですが、今
日はほとんど聞こえてきませんでした。風呂上がりに、涼子がおとなしかったね、と話を
すると、答えは意外にも、おばあさんの数がとても多くて、そのおばあさんが怖かったらし
く、口数が少なかったというのです。また、”おばあさんのボインが長かった!” という話
を涼子から聞かされて、大笑いをしてしまいました。ここのところずっと男湯が多かったの
で、おとなしくなってしまったようです。持参したおにぎりを休憩室で、栄村の雪景色を眺め
ながらほおばり、帰ってきました。ほっと一息です。
2月16日 朝起きてすぐに、涼子にミルクをやりました。直後にお腹が痛いと言いだし、
ウンチをさせたのですが、まだ気分がすぐれないらしく、お腹をさすってやったりしている
と、今度はもどしてしまいました。いつもはリンゴ色のほっぺで、健康そのものの涼子の顔
色が悪く、唇も紫色というか白っぽく見えました。しばらくしてまた吐きました。ミルクをボク
も飲んでみたのですが、別に味が変わっているわけではなく、どうして具合が悪くなったの
かあれやこれやと、女房や母と話してみたのですが、結局わかりませんでした。それから
5回くらいは吐いたでしょうか。夕方くらいからいつもの涼子に戻って、少しはごはんも食
べられるようになりましたが、いつも元気すぎる娘がおとなしくなってしまうと、ちょっと心配
してしまいます。
2月17日 よいお天気でした。夕べ雪がいくらか積もりましたが、ちょっと前ほどではあ
りません。庭のシャラの木の芽も随分膨らんできました。ものすごく冷たい日もあるのに、
今日のようにほんのり暖かいと、もうすぐ春が来そうで、何かしらてれたように嬉しくなりま
す。涼子も昨日とはうって代わって元気になり、はき慣れた長靴で雪の上を走り回ってい
ます。もう一息、もう一息・・・。
2月18日 スキーヤーにとっては少し悲しい知らせですが、ボクにとっては逆に少し嬉し
いことなのですが、今日の家の周りは目に見えて雪解けしているのがわかりました。昨
日除雪しているときに、駐車場に積もっている雪の高さがほんの少し低くなったかな、と
思っていたのですが、今日は駐車場の凍っているはずの一部分がしゃぶしゃぶになって
いました。このまま雪解けが進んでいくのでしょうか。ボクとしては一気に春になってもら
いたいと思いますが、そこはなかなか、家の前の雪は食堂の窓の半分くらいにまで達し
ているし、ゲレンデには190センチを越える雪が積もっているので、簡単には解けるはず
もありません。それでもだんだん暖かくなってくれれば、こんなに嬉しいことはありません。
涼子と母は今日もゲレンデまで遊びに出かけましたが、涼子は春が近づいているのを感
じてはいるのでしょうか・・・。
2月19日 昨晩寝る前に母が、”おしっこは?” と涼子に聞いたのですが、”出ない”
と言って、そのまま眠ってしまいました。午前2時半頃だったでしょうか。”お父さん、おし
っこ” と深い深い眠りの中にいたボクを起こしました。そんなとき多くの親はどうするの
でしょうか? ”あぁ、おしっこね、ちゃんと言えたわね、お利口さん” と頭でもなでながら
トイレに付き添うのでしょうか。それともボクのように、ボクより遥かに深い眠りに入って
いる女房をいったん睨み付け、”あほんだらっ!今頃しょんべんなんかゆうな!” と大
声でわめいた後、仕方なくトイレに連れていき、頭の一発でも殴るのでしょうか???
いえいえ、短気で血の気のまだまだ多いボクでも、さすがにそこまではできませんが、少
しはそんな気分にもなります。幼児虐待などと恐ろしい言葉がいろんなところで目にしま
すが、ちょっとしたことの積み重ねが原因なんでしょうね。かわいいときもいっぱいあるの
ですから、ボクも育児、まだまだがんばります。
2月20日 久しぶりに近畿地方の地図を見ました。こちらに住まいをしてから、長野県
内はもちろん、奈良に住まいしていた頃には全く縁遠かったところまで、いろんな素敵な
場所を見つけました。もちろん近畿地方にもこの辺りにはないとても魅力的な場所がた
くさんあって、地図を見ながらとても懐かしい気分になりました。奈良、和歌山、三重にま
たがる山々はとても深く、川や滝などあまり有名ではない場所にとても素晴らしいところ
があります。夏の海水浴には伊勢や若狭など、シュノーケルをするにはもってこいの場
所です。雪が解ければ、またあちこち出かけたいと思います。涼子に見せたい場所が、
近畿と言わず、日本と言わず、世界中にはたくさんあります。
2月21日 大学生のお兄ちゃん達が宿泊に来てくれていました。大きな観光バスをチャ
ーターして来られ、チェックアウトされたのですが、帰りのバスが迎えに来たとき、涼子も
乗りたいと勢いよく外に出ました。しかし、お兄ちゃん達が怖いらしく、母とふたりで駐車場
の隅から、バスを上目遣いに眺めていました。女房とボクが外に見送りに出た時、涼子
にバスに乗ったのかと尋ねると、”りょこたんね、バスにね、乗りたかったの” と言うので、
”どうして乗せてもらわないの?” と聞くと、”恥ずかしいの” と答えたので、女房に一緒
に乗るように言って、出発前のわずか1分程度ですが、バスの1番前に座らせてもらいま
した。女房と涼子がバスから下りて、大学生のお兄ちゃん達を乗せたバスは出発しまし
た。”りょこたんね、もっとバスに乗りたかったの” と行ってしまったバスを見送りながら
涼子が言いました。わずか1分の乗車時間の中で、またまたお兄ちゃん達が怖かったら
しく、ずっと下を向いていたようです。今度はきれいな景色を見に行こう!
2月22日 今朝は朝食の準備をする必要がなかったので、朝寝坊をしました。普段、目
覚まし時計が鳴る前か、鳴るとすぐに飛び起きるのですが、そんなときには体のどこが痛
いとか感ずる間もなく寝床から出ます。ところが寝床にだらだら寝ころんでいたら、腰が
痛いとか、特に両手が堅くて、自由に動かすことができないことに気づきました。やはり料
理の仕事は手先を使うことがとても多いので、一番休ませてあげなければならない部分
なのですが、一番休ませるのが難しい部分でもあります。よしっ!今日は温泉行こ!と、
お客さんがチェックインされる時間までの短い時間に、おにぎりを作って信州山田温泉に
向かいました。とても良いお天気で、南へ向かう国道から見える北信五岳は青空に浮か
ぶように見えて、とてもきれいでした。大湯というところに入ったのですが、冷え切っていた
手足に、熱いお湯がしびれるようにまとわりつき、しばらく身動きできないほどでした。それ
がしばらくするとしびれが感じなくなり気持ちよくなってきます。カチコチに堅くなっていた手
がだんだん柔らかくなり、腰もウンと伸ばせて生き返ったようになりました。涼子は女湯の
方に入っていたので、これもまたゆっくりできた要因のひとつではあります。温泉の近くで
おにぎりをほおばり帰ってきました。冬の熱い温泉はたまりません。
2月23日 涼子に ”お父さんのお仕事、何か知ってる?” と聞くと、”お料理” と答え
てくれました。わかってくれてるものですね。少し嬉しくなりました。しかしながら、仕事と遊
びの区別は涼子にはつかないようです。ままごとセットの料理も、お客さんのオーダーも
同じで、”卵割りたい” ”まぜまぜしたい” と忙しいときにうるさく言ってくるので、たまりま
せん。さっきは優しかったのに、厨房に立つと怖くなるのが、涼子にはまだ理解できない
ようです。
2月24日 母といる時間が長いので、涼子は随分いろんな歌を教わり覚えました。ボク
が知らない歌でも唄います。浦島太郎を三番まで唄ったり、金太郎を唄ったりします。大
きな声で繰り返し何度でも唄うので、笑ってしまいます。こんなふうにして、歌は歌い継が
れていくんだな、なかなかいいものだなと思っていたら、”黄色い看板、プロ*ス” な〜ん
てのも、唄うのですから、これまたどうしようもありません。
2月25日 しばらくまとまった雪が降っていませんでしたが、久しぶりの大雪となり、除雪
に追われました。もう除雪機を使う必要もないかなぁ、なんて甘い期待を抱いていたので
すが、さすが雪国です。降るは降るはで、昨日の深夜からずっと降りっぱなしです。真冬
に戻ったようで、悔しい気分でした。さすがの涼子も今日は一歩も外に出ることはありませ
でした。家の中で大暴れです。
2月26日 蛇口から流れ出るお湯で、夢中になって遊んでいる涼子に、”さあ十数えて、
お風呂出るぞ!” といつものように言うと、”もうちょっと遊んでる” と言うので、”ばっ
ちゃんと交代するから、ちょっとひとりで待ってや” と言って、ボクだけ脱衣場に出て体を
拭き始めました。10秒も経たないうちに、情けない声が風呂場から聞こえ、”お父さん、
お父さん、ばっちゃんまだ?もう待てない” と風呂場から涼子を抱きかかえて、脱衣場に
出しました。最近は随分偉そうにモノを言うようになったくせに、ほんの一瞬でもひとりぼっ
ちは心細いようなのです。
2月27日 明日は母の誕生日で、宿泊のお客さんのない今日に誕生日会をしました。
と言っても、豪華な事ができるわけもなく、小さなケーキをひとつ買って、ワインを飲んで、
と粗末なモノなのですが、ささやかなお祝いをしました。涼子は自分が誕生日の主役でな
い事がおもしろくないらしく、最初はつまらなさそうな顔をしていましたが、ろうそくに火が
灯るといつもの元気な涼子に戻りました。ボクは久しぶりに、少しは飲んでやろうと、ちび
ちび、だらだら飲んでいました。ゆっくり静かに飲みたかったのですが、子供がいるとそう
いうわけにもいきません。お腹が大きくなると、涼子はガサガサ動き回り始めます。ボクは
だんだん酔いがまわってきます。案の定涼子は、ボクの背中や膝の上に乗ってきます。
ボクもだんだんうるさく、面倒くさく感じてきます。涼子が眠たくなってくると、背中やお尻や
足などを掻けと、うるさく言ってきます。全身の力が抜けてしまっているボクは涼子を怒鳴
りました。”コチャコチャゆうてんと、痒いとこは自分で掻け!コチャコチャゆうな!” と一
喝しました。当然涼子は泣いてしまいました。いつもは何も言わず、掻いてくれている父さ
んが、どうして怒っているんだろう?って感じだと思います。父さんもたまにはゆっくりごは
んを食べたいよ。許せ、涼子。
2月28日 昨日蕨温泉というところに行ったのですが、出掛ける前にいつものようにお
にぎりを作り始めました。涼子が自分もやりたいと言うので、やらせてみました。予想に
反して、上手に握るのです。誉めてやると、なんとも嬉しそうな顔をして、”もういっちょ、
もういっちょ” と直径3センチくらいのまぁるいおにぎりを6個も作りました。温泉を出て、
施設の前にある2時間に1回やって来るバス停の中で、涼子手作りのおにぎりをほおば
りました。別にうまいモノでもないし、と・と・当然ながらボクのおにぎりが美味しいのに決
まっていますが、こんな事までできるようになりました・・・。


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