親バカ父ちゃん子育て日記
7月1日 たとえば今朝のように、泊まりのお客さんの朝食を準備しなければならない日、
我々夫婦は涼子よりも早く起きます。後からごそごそ起きだした涼子は、ボクが近くにい
ても見向きもせずに女房のところへ行きます。もっともボクは ”りょこたん、オハヨ!” 
と声はかけるのですが、全く知らん顔です。涼子の調子が出てきて、女房との遊びが飽き
てくると、ようやくボクにちょっかいを出してきます。ボクへの関わりはほんの数分です。
涼子が対等に遊びたい時は女房を選びます。”○○ごっこ” には女房を選びます。ところ
が何か悪戯をしたい、ちょっといじめたやりたいという感情が出てきた時にはボクのところ
へやってきて、闘いのポーズをしてみたり、ボクに馬乗りになってみたりの悪さをします。
最近のボクの役どころは、涼子の後輩、部下、手下といったところです。あまりカッコのい
いものではありません。
7月2日 ここしばらくの間、夜寝る前に涼子に本を読んで聞かせてやれています。夏の
シーズンや、冬のシーズンにはボクが疲れてしまっていて、ほとんど読んでやることができ
ません。オフシーズンにはなんとか時間を作って読んでやるようにしています。今も ”今日
は金太郎と一寸法師にしよう!” と歌を歌いながらボクがこの日記を終えるのを待ってい
ます。早く終えようと思うのですが、歌がおもしろすぎてなかなか終われません。”まさかり
かついだ きんたろぉ 馬に まさかり すもうの せいこ♪ はっけよいよい のぉこっ
 はっけよいよい のぉこった♪”
7月3日 火曜日で定休日だったのですが、お昼過ぎまで仕事が続きました。ものすごく
よいお天気で、仕事がなければ海水浴に行ってましたが、いつも思い通りにはいかない
ものです。うまいそばを食べたいなぁと話していたので、仕事を終えると戸隠へ向かいま
した。午後3時のそば屋さんはさすがにお客さんはいませんでしたが、きちっと手打ちの
美味しいそばを戴きました。夏休みにお越しになるお客さんの多くがこの戸隠の ”ちび
っ子忍者村” というところへ行かれて好評なので、ボク達も初めて中に入ってみました。
シーズン前の忍者村はひっそりしていましたが、涼子も女房もハッスルして、次々に丸太
やロープで作られている仕掛けをこなしていました。ボクはと言えば、太った体を適度に
揺すりながら、涼子に負けないようにダイエットのつもりでがんばっていました。なかなか
いいものでした。野沢へ行って温泉に浸かって帰ってきました。半日じゃ足りないよなぁ!
7月4日 現在も結構、流行っているんでしょ、ガーデニングというヤツ。庭いじりの今風
の言い方なのでしょうが、これがまたボクは大嫌いなのです。小学4年生くらいに園芸部
というのに入っていたことはありましたが、花に水をやるという名目で水遊びができるの
で、喜んでやっていましたが、ただそれだけの事です。自分の家の庭先もちょっときれい
にしようかと思うことは幾らかあるのですが、これまたボクにはセンスもないので、そうそ
うどこかの公園のようにきれいにはなりません。先日奈良の料理屋へ料理の勉強に伺っ
たおり、庭の手入れがとても行き届いていて、それはやはりプロの庭師に頼んでいるとい
うことでした。それでボクもプロに頼むことにしたのです。工事をお願いしてから約1ヶ月が
過ぎ、今日ようやく仕事に取り掛かってもらえました。工事をしているおじさん達が珍しい
のか、涼子は暑い日差しが照りつける中、現場監督のように現場をじーっと見つめていま
した。”おじさんにブランコ作ってもらうように頼み!” と言うのですが、何か照れくさそう
に何も言えずに、麦藁帽子をかぶって汗を流していました。さぁ、きれいにして頂けるで
しょうか。
7月5日 朝から仕入れと仕込みに大忙しで、車に乗って走り回っては汗をかき、厨房内
でガスをつけては汗をかいてのムシムシ、イライラの一日でありました。涼子は暑くても気
にならないのか、外を走り回っているし、家に帰ってきてもひたすらしゃべり続けています。
さすがにのどは渇くらしく、コーヒー牛乳をいれてやるとぐびぐび飲んで、そのコーヒー牛乳
の色よりも、涼子の顔や腕の方が黒かったので驚きました。夏本番を前に真っ黒なので、
これからさらに黒くなるとどうなってしまうのでしょう・・・。
7月6日 雨が強く降ったり、止んだりのうっとうしい一日でした。庭の工事を続けてくれて
いる職人さん達もあまりの雨の強さに、仕事にならないこともありました。涼子は家の中
で、女房相手に大暴れをしているか、おじさん達の監督をやっていました。今日は昼間の
お客さんがひとりもお見えにならず、このまま誰も来ないかなぁと思っていたのですが、あ
まりの蒸し暑さに、生ビールを目当てに雨の中、数組のお客さんがお見えになりました。
こんな日は冷えた生ビールを飲んで、雨を眺めているのもいいかもしれません。
7月7日 よいお天気になりました。玄関前の庭の工事も昨日より、はかどったようです。
一人や二人ではとても動かない大きな石を、数十個並べ終えたようです。涼子も含め近
所の元気娘達が、早くも石の上に乗っかって遊んでいました。蒸し暑さがなく風がとても
気持ちよくて、子供達の遊びには終わりがありません。子供達にとって夏の夕暮れ時は
何よりも楽しいものなのでしょうね。
7月8日 噂を聞きつけ、家族で近所のお宅のバーベキュー現場に潜入しました。夕方
の涼しくなり始める時間で、既にご近所は缶ビール片手に肉や野菜を焼いていて、”おい
おい!みんなに黙って何やってんの!” とあれよあれよと外にいた人たちが集まってき
て、にわかビアガーデンになりました。女房もボクもビールをもらい、涼子は相変わらず
お姉ちゃん達と走り回っていて、みんな嬉しそうな顔をしていました。特に涼子はこれより
楽しい顔はできないというくらいに喜んでいました。夏の野外の食事はたまりません。
7月9日 昼寝もせず、ずっと遊び続けている日、涼子は夕方7時頃か8時頃に眠ってし
まうことがあります。そんな時間に眠ってしまうと、朝まで寝ていることがほとんどで、日中
汗ボトボトで遊んでいて、風呂にも入らないので、体はぺたぺたでどろどろです。今日も7
時半頃に眠ってしまい、そのまま晩ご飯も食べずに眠り続けています。子供というのはこ
んなものでしょうか。ご飯も食べず、風呂にも入らず、ただひたすら遊び続けてはくたくた
になって眠ってしまうのです。先ほどから女房に体全体をタオルで拭いてもらっています
が、起きる気配は全くありません。なんかこんなに一生懸命に生きられて羨ましくなってき
ます。
7月10日 火曜日の定休日だったので、上越方面で仕入れを済ませ、海水浴に行って
きました。7月にもなると波も随分静かで、波を怖がっていた涼子も自分から近づいてい
き、キャーキャー、ワーワーと大はしゃぎをしていました。ボクは一度シュノーケルをつけて
潜りましたが、海水の透明度がイマイチだったので、10分程度潜った後、専ら魚釣りに専
念していました。ぐんぐん沖へ泳いでいく女房を見て涼子は ”お母さん!だっこぉ!” と
叫んでいたので、大笑いをしてしまいました。これからしばらく海水浴が一番です。
7月11日 お昼2時過ぎから涼子を連れてかぶと虫を探しに、道路沿いのクヌギの木を
見て回りました。かぶと虫は夜行性の昆虫なので、昼間にはなかなか見つけにくいのです
が、たまに行動中の変わり者もいるので行ってみました。暑い日差しが照りつける中、青
い網を持ち、ザックには水筒とタオルを入れて、涼子とボクは坂道を上っていきました。50
メートルくらい毎に、”なんか飲みたい” を連発しなかなかお目当ての木にはたどり着けま
せん。少し歩いてはお茶を飲み、川を見つけては石を投げ、トンボを見つけては網を振り
回し、花びらをちぎっては、誰に教えてもらったのか ”好き・きらい・好き・きらい” となか
なか前に進めません。汗をかきかきいくつかの木を探してみましたが、今日はまだダメでし
た。もうしばらくで都会からたくさんのお客さんがお見えになります。夕べはかぶと虫の夢を
見ました。一夏に何度かぶと虫が夢に出てくるかわかりません。子供達の夢を叶えるた
め、少しでも多くのスポットを涼子と共に探しておきます。
7月12日 暑い日で村のホテルのプールに行くことにしました。昼間のプールは涼子と
ボク以外は誰もいなくて貸しきりでした。昨日は目的がかぶと虫だったので、涼子はなか
なか坂道を上って行きませんでしたが、今日はプールというハッキリした目的があるので、
もちろん寄り道も随分しましたが、比較的スムーズに坂道を歩いていました。プールで1時
間足らず遊んだ後、蝉や鳥の鳴き声が聞こえる中、ご機嫌に帰ってきました。夕方近所
の友達と走り回って涼子はまたまた汗でずぶぬれです。夜には宿泊のお客さんと一緒に
花火をさせてもらって、今日も涼子は精一杯遊んでいました。
7月13日 宿泊や食事に来て下さる高校生や大学生のお兄ちゃん、お姉ちゃんと涼子
の遊び方は、お兄ちゃん達の横にちょんと座り、何か話をしていたり、絵を描いてもらって
いたり、おもちゃで遊んでもらっていたりと、予想外におとなしく遊んでいます。というのは、
幾人かの子供達を見ると、お尻や体の一部をつついてはキャーッと言って逃げていくよう
な、どちらかと言えば激しいめの遊びをしているのをよく見かけるのですが、どうも涼子の
場合は、大きいお兄ちゃんやお姉ちゃんが相手だと静かに遊ぶ傾向があります。もちろん
涼子と年齢が近かったり、小学生だったりすると、走り回っているのがほとんどなのです
が、よく人を見ているようにみえます。
7月14日 ボクが少し考え事をしていたりして、涼子のおしゃべりが我慢ならないとき、
”ちょっと静かにして!” と言います。そうすると涼子は ”プー出んの?” と聞いてきま
す。そう言えば、ボクがおならをするときも、 ”ちょっと静かにして!” と言ってました。
つまらないことをよく覚えています。
7月15日 昼ご飯を食べる前くらいから何が気に入らないのか、涼子がぐずり出しまし
た。暑いので涼子はあまりご飯を食べません。ミルクばかりを飲んでいて、昼ご飯のソバ
を全く食べようとしないばかりか、何も食べずにふくれっ面です。女房が涼子を抱きかか
えて、勝手口から涼子を外に放り出しました。しばらくして泣き出すかなと思っていたので
すが、さすがに涼子もしぶとく、物音ひとつ立てません。少し反省させようと、涼子に聞こ
える声で、”お父さんとお母さんはブーブーに乗って、ラーメンでも食べに行こ!” と挑発
をしましたが、涼子は黙ったままです。開けていた窓を閉め、電話を留守電にし、必要以
上に車のキーをカチャカチャならしながら、外に出ました。涼子は裸足のまま、勝手口か
ら駐車場を通って、玄関の方に来ました。車のエンジンをかけ、女房が先に助手席に乗
り込みました。涼子は自分も連れて行ってと泣き出しました。玄関に鍵をかけ運転席に乗
り込もうとするボクに、裸足のまま涼子は大泣きで ”ゆうこと、聞くから!ゆうこと、聞くか
ら!” と駆け寄って来ましたが、ボクも涼子を無視して、車に乗りました。すぐさま涼子は
動き出す車のそばを離れ、玄関の階段の前に立ち泣いています。ボクは車を山の方に向
かって走らせました。涼子が大きな道路に走ってこないのをバックミラーで確認し、車から
家が見えなくなるとすぐにUターンし、戻ってきました。車に乗っていたのはおそらく2分程
度でしょうか。ボクには涼子がとてもかわいそうになり、また道路に走り出してはいないだ
ろうかと心配になったりし、とても長く感じました。家に戻ると涼子は家の周りにいません。
耳を澄ませると、大声で泣いている涼子の声が近所のお宅の方から聞こえてきました。ボ
クは女房に涼子を迎えに行ってもらい、家に入りました。大きな泣き声がだんだん近づい
てきます。肩を震わせ、しゃくり上げながら泣いている涼子が女房と戻ってきました。”涼子
が勝手なことばっかり言って、お父さんとお母さんのゆうことを聞かへんかったら、ずっとひ
とりぼっちのままやで。ひとりぼっちは怖かったやろ・・・。” などとなるべく短く説教をし、
泣きじゃくる涼子を慰めてやりました。うまく記せませんが、子供を叱るのは難しいもので
す。
7月16日 日中あまりにも暑かったので、3時頃から涼子を連れて、カヤノ平という木島
平のブナの森に行って来ました。標高1500メートルくらいにあるカヤノ平は、10人くらい
の観光客がいる程度で混雑はなく、とてもすがすがしく感じました。涼子も車に乗っている
間は眠っていましたが、現地に到着し車から降りるとすぐに、緑の高原を走り始めました。
小川の水に触れると冷たく、カッコウの鳴く声や、牛が草を食べる姿に涼子は終始ご機嫌
でした。夕方7時過ぎに眠り始めた涼子が、仕事を終えて風呂に入ろうとするボクに、”お
父さんとお風呂入るのヤダ!” とタイムリーに寝言を言ってくれました。さっきはあんなに
仲良く手をつないで歩いてたのに・・・、なんやねん!くそーっ!ぐれるぞぉ!
7月17日 火曜日の定休日だったのですが、珍しく遊びには出かけませんでした。誰か
が病気になったわけでもありません。ここのところ夏休みの問い合わせをお客さんから頂
戴するので、山にも海にも出かけませんでした。女房と涼子に家で電話番をしてもらい、
ボクは上越に仕入れに出かけました。車を走らせながら青い空を眺めていると、仕事をし
ている自分が少しイヤになりましたが、そうも言ってられません。夏本番を迎えます。気合
いを入れ直してがんばります。
7月18日 消防訓練がありました。初めて涼子も参加しました。通報訓練や火事が起き
たときの対処の仕方などをビデオで見ます。涼子にとってはつまらない集会みたいなもの
で、いつぐずり出すかなと思っていたのですが、ビデオは涼子にとって刺激的だったよう
で、一生懸命見ていました。ダイハードやターミネーターみたいなものだったのかもしれま
せん。
7月19日 宿泊のお客さんが家族で、夜からかぶと虫を採りに出かける時でした。お客
さん家族と食堂で出くわした涼子は、小学生のお姉ちゃん、お兄ちゃんに、”お部屋の電
気消してきた?テレビは消してきた?” などと、うるさく聞くというのです。自分がいつも言
われてるものだから、ここぞとばかりに偉そうに言うのです。おもしろかったのは、テレビを
消してきたというお兄ちゃんの言葉が信じられなかったのか、”わたし、見てくる!” と階
段を上がっていく涼子を追いかけるように、お兄ちゃんが消し忘れていたテレビを消すた
めに部屋に戻っていったということですから、お兄ちゃんにしてみれば嫌なタイプの女だと
思ったに違いありません。涼子は自分の事もまともにできないくせに、思いやられます。
7月20日 暑い日差しが照りつける中、涼子は朝から外で遊び続けていました。宿泊の
お客さんや近所の子供達とひたすら遊び続けています。夕方5時頃戻ってきた涼子は、い
つものようにミルクを一杯飲んだ後、布団の上に横になり、吸い込まれるように眠ってしま
いました。ホントにシューって感じです。仕事をしながら眠る涼子の方に時折目をやるので
すが、寝返りどころか身動きひとつせず、横になっています。ひょっとして熱中症にでもな
ってしまったか、はたまた死んでしまったのでは・・・、などと少し気になり涼子のそばまで
行くと、別に何ともなく小さな寝息を立てて眠っていました。3時間ほど静かに眠り続けて起
きだしてきましたが、本当に真剣に遊んでいる涼子を羨ましく思います。
7月21日 建物の外側に取り付けてあるインターホンのボタンに手が届くようになった涼
子は、ボタンを押していたずらをするようになりました。最初、ピンポーンと音がしたので、
女房が外に出ていくと、近所の友達と涼子がニコニコと立っていたらしいです。女房が厨
房に戻ってきてすぐに、ピンポーンとまた鳴ったので、今度はボクが受話器からハイと答
えると、”なんか用事があるんですけど・・・” と涼子の声。”なんでしょうか?” と言うと、
”お姉ちゃん二人なんですけど、入ってもいいですか?” ”どうぞ!” とまぁ、インターホン
で話がしたかったようです。暇なときはええけど、忙しいときにいたずらすんなよな!
7月22日 毎日暑い日が続きますが、涼子は相変わらず止まることなく動き続けていま
す。それは体だけではなくて、口もそうであり、一日中べらべらと理解のできることもあり
ますが、多くは意味がわからないことをしゃべり続けています。そんな涼子が唯一自分か
ら ”静かにして!” と言うときがあります。それはまぎれもなく、ウンチのためにトイレに
連れていったときで、オシッコをしているときにもべらべらしゃべっているのですが、それが
突然もよおしてくるらしく、”ウンチ出るから、ちょっと静かにして!” と顔を真っ赤にしなが
ら、涼子なりのドスのきいた声で、ボクに訴えます。その次の瞬間が涼子が唯一静かにな
る一瞬で、事を終えると、またまたべらべら話し始めます。一日中ウンチをしているわけに
もいかず、もう少し口を閉じていられないでしょうか・・・。
7月23日 涼子は何かにつけてよく怒りますが、それはおそらくボクの性格を引き継いで
いるのだと思います。ボクも何かと短気ですぐにイライラきます。しかしイライラはします
が、口に出してギャンギャンわめき立てることはあまりありません。涼子の場合は、どうし
て怒っているのかよくわからないことがあり、もちろん顔にも口にも出るので、大人になっ
てもこのままだと困るなぁと思うこともしばしばです。夏休みに入り、たくさんのご家族がお
見えになっているのですが、お父さん方がお子さんに接するときの態度や口調が実に誠
実で、ボクも見習わなければならないところがたくさんあります。涼子の怒りっぽいのを、
少しでも和らげるために、ボクも変わらなければなりません。できるかなぁ?
7月24日 宿泊のお客さんがチェックアウトされ、後かたづけを終えて海水浴に出かけ
ました。夏休みに入り、砂浜はたくさんの人でごった返しているかなとおそるおそる出かけ
たのですが、そこはやはり平日の田舎の海水浴場で、ほとんど貸し切り状態でした。海水
の温度は暖かく長い時間潜っていられました。波が高く魚釣りには適さない状態だったの
ですが、釣り竿を短いままで持ち、シュノーケルをしながら無理矢理魚釣りをして遊んでい
ました。今年は涼子も海をさほど怖がらなくなり、波打ち際で大はしゃぎしていました。野
沢温泉に入り、家に戻り、スイカを食べて、花火をして夏の休日はアッという間に終わって
しまいました。
7月25日 お客さんに教えられよく見てみると、家の屋根の一番高いところにスズメバチ
が巣を作っていました。東京などではスズメバチの巣を見つけたら、役所が駆除に来てく
れるということを聞き、役場に電話してみると、村にはそういうサービスはないらしく、駆除
をしてくれる業者を紹介してくれました。駆除をするのに数万円かかるらしく、悩んでいまし
た。被害がこれといってないので、このまま放っておこうかとも考えましたが、涼子も含め
近所に子供もたくさんいるし、夏休みに入り、大勢の子供達がまだまだやって来る中で、
大けがをするような事があってはいけないので、なんとか自分達で駆除の方法を考えまし
た。巣は驚くほど大きくはなく、直径10センチ程度です。小さな巣とは言え、よく見るとたく
さんのスズメバチが巣の周りをうろついています。話はそれますが、何を隠そうボクは高
校1年の時、山岳部の練習中に頭と指をスズメバチにメッタ刺しされたことがあり、救急車
で運ばれ、先生方には ”あいつはもう終わりやな” とあきらめられるほどの、カッコの悪
い経験をしたことがあり、それ以来スズメバチには憎しみの感情があり、うろつくにっくきス
ズメバチを見ているとなんとかこの手で巣をつぶしてやろうと思いました。2階の客室から
竿で巣をつつき落とし、落ちた巣に網をかぶせて、殺虫剤をまいてスズメバチを殺してしま
おうと考えましたが、竿が届かず失敗。ホースの水をかけて落とそうと、女房に2階から水
攻撃をお願いし、ボクは下で長袖・長ズボンの重装備で落ちてきた巣に網をかぶせようと、
決行しました。その間涼子は我々夫婦が何かやいやい言いながら事を進めているので、
自分もこのイベントに参加したいとしきりにうるさく言っていましたが、外にいるとボクに叱ら
れ、女房の側に行くと、また叱られ何がなんだかわからなかったと思います。そして、水道
の栓を最大に開放し、女房はスズメバチの巣を目がけて、水を放ちました。予想外に水が
巣に当たらず、”このタコ、どこねろとんねん(どこを狙ってるんだ)!” と思いましたが、一
応女房も真剣で、しばらく様子を見ていると、巣が破裂したように落ちてきて、ハチは元の
巣のあった場所をくるくる回っていました。落ちてきた巣にはハチはおらず、ボクは巣の残
骸を叩きつぶしました。とりあえず気がかりだったスズメバチの巣、駆除作戦は終了しまし
た。田舎の暮らしは大変です・・・。
7月26日 我が人生と音楽の師と仰ぐ長渕剛が絵を描いていたので、ボクもやってみるこ
とにしました。墨や筆、それから硯に墨汁、絵の具やパレット、半紙や色紙を適当に買いま
した。ボクがごそごそやっていると、涼子がいたずらに来るのはわかっていたので、涼子の
分も余分に買いました。昼の営業を終え、かぶと虫やくわがた、トマトや生ビールの絵を描
きました。なかなかうまく描けないものです。子供の頃は下手な方でもなかったのですが、
やはりギターや唄、包丁の扱いなどと同じで練習をしないとうまくいかないものです。涼子
は12色の絵の具を片っ端からパレットに出し、気が付いてみると、真っ白いパレットが真っ
黒になっていました。”お絵かきおもしろいねぇ” と言う涼子は絵を描くというよりも、水入れ
の水にパシャパシャと筆を濯いでいるのがおもしろかったように見えます。
7月27日 夏の宿泊のお客さんラッシュが続きます。涼子はお兄ちゃんやお姉ちゃん、友
達がたくさん来てくれるので、朝からみんなと遊びっぱなしで、自分達の部屋に戻ってこな
いばかりか、ご飯も食べずに走り回っています。7時頃に部屋に戻ってきたのに静かだなと
思っていたら、既に眠っていました。暑い日差しの中、疲れることのない涼子は汗がこれ以
上出ないくらいに汗をかき、とうとう風呂も入らずに眠ってしまいました。毎日楽しくて仕方な
いといった感じです。
7月28日 深夜に早朝にと、かぶと虫捕獲作戦にお客さんはお出かけになります。ボクも
早朝から仕事を始め、新聞を広げる間もないほど大忙しです。アッという間に夕食の時間
で、8時頃から花火が上がり始めました。ちょうど目線の位置に大きな花火が広がり、食堂
から、もしくは外からチビちゃん達の歓声が聞こえました。ボクと女房は花火どころではな
く、あちこち動き回っていました。気がついてみると、涼子の姿が見えず、お客さんのところ
かなと思っていたのが、近所の人たちに混ざって外で花火を眺めていたようです。夏のお
祭り騒ぎを両親とも一緒にそばいてやれないのが、つらいところです。
7月29日 どういうわけか宿泊のお兄ちゃん、お姉ちゃん達と今日はウマが合わないらし
く、涼子は夕食の準備で大忙しの我々のところにやってきて、ぐずぐず言っておりました。
涼子にかまってやる時間など全くなく、夜9時も回ってくると、我々の疲れもピークになり、涼
子は何かと叱られては、しょんぼりと肩を落とし、またエネルギーを復活させると、悪戯をや
りに来るという繰り返しでした。ぶつけるはずのないところで足を引っかけたり、お皿を割っ
たり、涼子にあたったりで、一番かわいそうなのは涼子なのです。
7月30日 お箸を一本づつ持ち、お皿を楽器代わりに叩いています。涼子の号令は ”わ
ぁん・つぅ・ふりぃ” と英語ではなく、全くの涼子語なのです。Four が出てくる事もあり、
”ほぉ〜” なのです。笑っていると、こちらが怒るまでやっています。どうしてそんなに遊び
続けられるのでしょう?
7月31日 生ビールのジョッキにキリンビールのキリンの絵が描かれています。その絵を
見た涼子は ”乾杯ラダダ♪乾杯ラダダ♪” とテレビのコマーシャルの歌を唄います。先
日ボクが習字の真似事をしていたとき、”生涯青春” ”永遠の不良少年” などと色紙に書
いていました。そしてもう一枚、”一球入魂” ならぬ、”一皿入魂” と書こうとして、”一皿”
と書いた後女房が、”一皿百円” と盛り上げた後、すかさず涼子が ”かっぱ寿司!” と
笑わせてくれたので、書く気がなくなってしまいました。しかしテレビの影響というものは恐
ろしいものです。今日から4歳になりました。もう少し知的な番組を見せなければと思います
が、本人はそっぽを向くに決まっています。これからまた一年どうなりますやら・・・。



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