親バカ父ちゃん子育て日記
10月31日 夜中に3時間続けて眠ることなど、まず考えられない翼で
すが、今朝は6時半頃に起きだし、7時過ぎにボクの背中で眠ったと思っ
たら、10時過ぎまで眠っていました。みんなが起きている時に翼ひとりが
グースカ眠って、みんなが寝ようとしている時に、ギャーギャー泣きわめき
ます。仕事をしている時には仕事の邪魔を、寝ているときには睡眠の邪
魔を、食事の時は食事の邪魔を・・・、と本当に親孝行な息子なのであり
ます。
10月30日 思いがけず、宿泊のキャンセルが相次ぎ、夕食のお客さん
がお帰りになると、明日朝食まで、時間がとれました。みんなで野沢温泉
に行きました。女房は実に2月以来の野沢だと言っておりました。涼子は
女房と、翼はボクと入りました。男風呂には50代と見られる強面のおじさ
んがひとりいました。声のトーンや話し方は、実に優しそうだったのです
が、翼はおじさんが我々に話しかけるやいなや、口をへの字に曲げ、泣
き出してしまいました。「おじさんが悪かったねぇ」 と強面のおじさんはひ
たすら謝りましたが、翼は泣き続け、おじさんはさっさとお風呂から出て行
ってしまいました。悪かったのはおじさんではなく翼です。申し訳ありませ
んでした・・。それにしても野沢はいいお湯です。翼は熱いお湯でも平気で
入ってくれるので助かります。
10月29日 朝、昼、夜と相当の食材を使い、相当の種類の料理を作り
ました。夜だけでも、厚揚げと大根の煮物、皿うどん、ミンチカツ、みそ汁、
ごはんで一組、ラーメン、焼き飯、餃子、冷や奴で一組、スモークチキンと
きのこのサラダ、ブイヤベース、にじますのロースト、豚ロースのソテー、
あさりソースのリングィーネで一組です。これらを一度にやるのはなかな
か、正気の沙汰ではありません。仕込みは前日からになります。くたびれ
てしまいましたが、いい仕事ができたと、ホッとしています。忙しくなってく
ると、涼子も翼もうるさく言いますが、なんとか今日は乗り切れました。
10月28日 今日からしばらく三食の仕事が入り、ますます忙しくなりま
す。夕食時の焼酎が一番の楽しみでしょうか。おっさんまっしぐらでありま
す。スイスのグリンデルワルドで、アイガー北壁を背中にリュチーネ川を
眺めながら、あるいはフランス・ノルマンディーの大西洋岸にある貸別荘
で、下手くそなビリヤードをしながら飲んだビールやワインが、最近では
最高に美味しく感じられたアルコールでありました。今ではしゃべり続け
る娘と泣きわめく息子の相手をしながらの焼酎ですから、これもまたさぞ
美味なのであります。トホホホホ・・・。
10月27日 村の施設で翼の予防接種がありました。注射ではなく、薬
を飲ませます。その事自体はどうでもいいのですが、その現場にいるの
はほとんどが若いお母様方で、しじゅうヅラを提げて赤ん坊を抱いている
男はボクひとりで、どうもしっくりいきません。別に恥ずかしいという気持ち
はありませんが、なんかボクひとりが浮いているような気がします。他に
男性はひとりいましたが、彼の事もなんか違うなぁと感じました。あそこは
女の世界であります。我が子を連れて、買い物に行こうが、注射に連れ
て行こうが、ボクにとっては全くどうって事ない日常の仕事です。しかし、
場の雰囲気が女性向けか、男性向けかにはなっている気がします。デパ
ートのバーゲンセールは女性向きですし、天候に関わらず、屋外で力仕
事をするのは男性向きです。今日の注射の現場も、ボクひとりの力では
変えようのない、女性の現場であると思います・・・。だからと言って、次回
から女房任せにしようと思ってるわけではありません。
10月26日 食事にお越し頂く、”びっくりりえたん・たにまち” の皆様
に申し上げます。現在宿泊のお客さんと育児に大忙しで、食事だけのお
客さんはお断りしているのが現状です。手が回らないのです。今日も数
組のお客さんのご来店をお断り致しました。きちんとサービスができるよ
うになるまで、もうしばらくお待ちください。また、大変お手数ですが、前
日までに電話連絡なりを頂戴いたしますと、なんとか営業させて頂きます
ので、ご承知おき下されば存じます。大変ご迷惑をお掛けいたしますが、
何卒よろしくお願い申し上げます。
10月25日 夕べも翼は何度も大声で泣きわめきました。あまりにうる
さいので、「うるさい!」 とボクも負けずに大声で叫ぶと、ヤツは息継ぎ
の間にほんの一瞬、静かになりました。しかしそれは本当にほんの一瞬
で、大泣きは女房がミルクを与えるまで、衰えることなく、延々と夜の闇
に響き渡ります。ええ加減に泣くのはやめろ!
10月24日 今朝、女房に呼ばれて食堂へ行ってみると、野沢方面の
山の頂上付近に雪が積もっていました。自分の目を疑いましたが、やは
り雪でした。日中はとても良いお天気で、女房と翼とボクの3人で高社山
の中腹までハイキングに行きました。最近ほとんど歩くことがなかったの
ですが、久しぶりにゆっくり歩くと気持ちよかったです。エライ爺さんにな
ってしまったなぁと情けなくも思いましたが、今のところ致し方ありません。
今年の山はとてもきれいに感じます。
10月23日 寝転んでいたボクに翼が 「ねぇ、父さん!」 と言ったよう
な気がして、「なになに・・・」 と翼に声をかけましたが、ヤツは知らん顔を
していました。やっぱり気のせいやなぁ・・・。
10月22日 今日は阪神が勝ちました。なんか嬉しいです。バカみたい
なのですが、応援してしまいます。星野監督はいいなぁ。選手もいいなぁ。
ダイエーにはどんどん負けてもらわないと、現スカウトの若井君はベンチ
に入れないと考えます。選手時代の若井君は、吉田監督に阪神へ来いと
声をかけられたと言っていましたが、今はどんな気持ちでゲームを見てい
るのでしょう。若井行くところ必ず優勝すると言われた彼ですが、次の優
勝は彼が監督になってからにして頂いて、この日本シリーズはどうしても
阪神に勝ってもらいたいと思います。がんばれ〜!
10月21日 鶏の燻製を作りました。もも肉と胸肉をハーブとオリーブオ
イルで漬け込みます。一斗缶をくり抜いただけの燻製機にリンゴの木の
チップを入れ、網を被せ、その上に鶏を置いて、10分程度燻します。す
るとどうでしょう。とてもいい香りの鶏の燻製ができました。舞茸、しめじ、
エリンギ、椎茸などのきのこ類を塩、胡椒、ブルギニヨンバターで炒めま
す。シャキッとさせた水菜をオリーブオイル、ワインビネガー、そして鶏を
燻した時に出た汁で和えます。きのこ、水菜、鶏の燻製の順番に皿に重
ね、仕上げにオリーブオイルを散らして出来上がりです。旨い、旨いとパ
クパク食べていると、横でじっと見つめているのは翼であります。昨日に
続き、「あーーーーーっ!」 と叫びましたが、「鶏は無理やでぇ?!」 と
のみんなの心配とは裏腹に、2本だけの歯でムシャムシャと数切れ食べ
てしまいました。翼はホントによく食べます。豚一直線です。
10月20日 翼の離乳食にはお粥を作り、その中にかぼちゃを入れた
り、鮭フレークや海苔の佃煮などを入れたりします。みそ汁やお茶もよく
飲みます。今夜の我が家のおかずに、蓮根の天ぷらがありました。涼子
が好んで食べます。翼が涼子の動きを、両手にスプーンを持ったまま、じ
っと見つめます。大きな声で 「あーーーーーっ!」 と叫びます。ものすご
く大きな声です。我々の鼓膜を突き破りそうな勢いです。翼は涼子が食べ
る蓮根を欲しがっています。下の歯が2本しかないので、サクサクと美味
しくは食べられません。それでも 「あーーーーーっ!」 とうるさく何度も
叫ぶので、口に入れてやります。蓮根を口にした翼は、駐車場で砂利石
を口に入れてガリガリやっている時と同様に、誇らしげに蓮根を口の中で
転がしています。みんなと同じ事がしたいし、同じ物が食べたいようです。
10月19日 今夜の宿泊のお客さんはありません。丸1日の休みはな
かなか採れませんが、今朝お客さんがチェックアウトされると、午後から
夕べの残飯をつまみに、焼酎を飲んで、だらだらとビデオでも見ようと、レ
ンタルビデオを借りに行きました。サスペンス物やバイオレンス物という
感じではなく、しっとり恋愛物という具合でもありません。ゆっくりきれいな
景色が見られるような、感動の超大作等というものを探しました。家に戻
り、翼の離乳食を作り、厚揚げと茄子の煮物をタタタタターッと作って、ビ
デオをセットしました。ところがです。フランス映画の字幕ですので、涼子
は全く理解できません。ビデオが始まると涼子は 「ねぇ、なんて言ってる
の?」 と言うので、ひたすらボクは字幕を読み続けます。さらに翼が食
卓の皿やグラスに手を出し始め、それをガードするのに、女房もボクもテ
レビ画面より、翼の方に注意がいってしまいます。焼酎飲んで、ビデオで
だらだらは、のっけからつまずきました。ボクの考えるゆっくりだらだらな
ど、簡単にさせてもらえるはずもありません・・・。
10月18日 日本人ですが、ハワイからお越しになっていたお客さんが
チェックアウトされました。ハワイに住まいされて30年。その前にはブラ
ジルに住まいされていたという強者ご家族です。お話をたくさん伺えた訳
ではありませんが、多くのご苦労があったと推察致します。しかしそんな
事はまるで感じさせない、充実した表情をされていました。現在のボクが
経験したこともないような事を数多くこなしてこられた、人生の大先輩であ
りました。どうぞいつまでもお元気でお過ごし下さいませ・・。
10月17日 夕べも翼の大泣きは止まず、女房はほとんど眠っていない
のではないでしょうか。翼の声はボクに似て、ものすごくよく通ります。そ
れが金切り声になったりすると、鼓膜が破れそうになります。アッという間
に朝が来て、仕事が始まります。仕事の合間に育児をしているのか、育
児の合間に仕事をしているのか、わからない時がありますが、両方とも
終わりなき戦いであります。
10月16日 翼の歯は現在、下に2本だけ生えていて、天才バカボンに
出て、鉄砲を振り回していた ”ホンカン” に似ています。頭も自分で髪
を抜いた部分が、五百円玉が二枚分くらい禿げていて、間抜けの代表の
ような顔になっています。ミルクをやりながら、こんな子供をよく育ててい
るなぁと、たまに感心することがあります。
10月15日 最近翼はおむつを替えるのを嫌がり、ものすごく暴れます。
ウンチの時はなおさら大変で、みんなで押さえつけて、おむつを替えます。
当然翼は泣いて抵抗します。先ほどボクが風呂に入っている間、翼にお
むつをはかせていた女房が、あまりに暴れる翼のお尻を叩いたと、涼子
がボクに言いつけに来ました。それを聞いていた女房が涼子に 「どうし
ていちいち言いつけに行くの!」 と叱りつけます。すると元気だった涼子
が静かになって、狭い部屋の3人は独特の暗い雰囲気に包まれます。女
房はカリカリ、涼子はウジウジ、翼はギャーギャー。そこへちん〇んをフラ
フラさせたボクが左手をあげ、右手で口を叩きながら 「エンヤカヤカヤカ
ヤ〜!」 と叫びながら乱入します。こうして英才教育は段階を経て、成就
するのであります。
10月14日 夕食の準備をしている時、隣の部屋から女房が 「ちょっと
来て!」 と小さな声で手招きをしました。静かに行ってみると、奥の部屋
から昼寝をしていた翼が、ぺったぺったとハイハイをして、黙ったままみん
なのいる部屋に入ってきていました。目覚めても泣かずに、みんなの声の
する方にやって来たようです。考えてみると、翼が生まれて10ヶ月が過ぎ
ていました。
10月13日 つい先日、玄関のシャラの木が少し赤くなってきたなと思っ
ていたら、もう既に真っ赤になっています。スイスで買ったマリーゴールド
の種から、たくさんの花が咲きましたが、既に一部枯れてしまったものも
あります。昨日妙高へお出かけになったお客さんが、山が見事に色づい
ていたとおっしゃっていました。びっくりりえたんから見える景色にはあま
り広葉樹がないので、山の彩りを感じることはほとんどできません。しかし
一歩山に足を踏み入れると、きれいに色づいていることでしょう。ワインと
インスタントラーメン、おにぎりを持って、暇を見つけて山に入りたいと思
います。忙しい日が続いているので、なかなか出かけられませんが、翼に
も秋山体験させましょう・・。
10月12日 今朝3時過ぎに布団に潜り込み、翼に何度か起こされて、
6時に起床です。午後2時頃から少し横になれましたが、仕事はひたすら
続きます。眠らないでもなんとかなるものです。なんとかなる理由は、膨
大なローンのせいなのか、子供のせいなのかわかりません。この10月も
仕事と育児は果てしなく続く模様です・・・。
10月11日 高校時代の同級生が来てくれました。独身です。どなたか
いらっしゃいませんか。見てくれは当然ボクより悪いですが、悪いヤツで
はありません・・・。もう3時なので寝ます。
10月10日 母はボクが赤ん坊の頃、あまりに泣きわめくので薬を飲ま
せたと言っていました。ボクの弟には薬を飲ませ、はり治療もしたと言い
ます。さらに、母の弟や妹もうるさく泣いたそうで、カミソリで背中を切り付
け、傷ついた背中から出た血を新聞紙で止めたそうです。また、私どもび
っくりりえたんの谷町であられる60歳前のご夫婦からは、”かんのむし”
をとってくれる年寄りがいるから、その人に頼むと、赤ん坊の指先から 
”かんのむし” がじわりと出てくるという事を聞きました。いずれも翼の大
泣きに対する対処法ですが、真面目に聞ける話ではないような気がして
仕方がありません。皆さん真剣にお話しされるので、”うそぉ!” なんて
顔もできないし、言葉にもできませんが、多くの諸先輩方の話を総合する
と、多くの親は育児に苦労したということに尽きます。もちろん、夜8時か
9時に眠ってしまうと、朝まで起きないという子供の話もまれに聞きます
が、そんな赤ん坊の顔を見ると、蒼白く元気がなさそうに感じられます。
”こんなに健康そうな赤ちゃんを見るのは久しぶりだ” とか ”こんなに笑
う赤ちゃんも珍しいねぇ” と言ってもらえるところからすると、翼は元気過
ぎるのかもしれません。
10月9日 朝晩寒くなりました。朝はストーブをつけています。日中は暑
くなるのですが、朝は特に寒いです。朝食が早く、夕食が遅いので、ボク
は1日仕事をしている気がします。涼子は1日中しゃべり続け、翼は眠っ
ているか、食べているか、泣いています。女房もボクも何故か忙しく、静
かに過ごせる時間が、ほとんどありません。夕食時の焼酎が今の一番の
楽しみです。みんなもうちょっと静かにしろ!
10月8日 ボクはいわゆる I Tツールが嫌いです。機械が苦手ゆえ、嫌
いなのです。このパソコンも面倒くさいし、携帯電話も持ち歩くのが邪魔く
さいのです。仕事ですから仕方なく使用しているのですが、その携帯電話
が最近使えなくなりました。相手の声は聞こえるのに、こちらの声が相手
に聞こえなくなりました。電話屋へ持っていくと、水濡れが原因だと言われ
ました。ボクは電話を持って調理場で仕事をすることなどないので、どうし
てそんなことになったのかよく考えてみると、翼がペロペロ舐めているの
を思い出しました。ヤツは何でも口に入れます。手にしたもの何でもです。
おもちゃやぬいぐるみはもちろんのこと、電気コード、机、椅子、茶碗、新
聞紙、ペン、ノート、砂、石等々、全て舐めまくります。携帯電話も舐めら
れていました。最初は0円だったのに、1万円近くもかかってしまいました。
こんなドつまらないものに、支払う必要のなかったお金がいるのです。お
い!翼ぁ!もうちょっとおとなしいしとけっ!いろいろ舐めんな!ぼけっ!
10月7日 昨日は村のホテルの温泉へ行きましたが、今日は野沢へ行
きました。もちろん涼子も翼も一緒です。女房も熱い温泉に入りたいと言
いますが、お客さんが続いているので、近いのになかなか出かけられま
せん。10月にもなると夜の温泉街は随分寒く、湯冷めをしないように気を
つけなければなりません。故に翼などはたくさんの服を着ているので、服
を脱がせて、着せてという作業にとても時間がかかり、一苦労です。子供
ふたりを、必死になって風呂に入れている中年を見るのは滑稽かもしれ
ません。多分カッコ悪い姿でしょう。ビデオにでも撮って、自分の姿を見て
みたい気もします。また、風呂上がりにアイスクリームを順番に食べさせ
る様は、まるで親鳥が小鳥に餌を与えるのとそっくりです。帰りの車の中
では、ふたりとも気持ちよさそうに眠っていました。このまま朝まで眠って
くれたらと思いましたが、育児はそう簡単には終われないのです・・・。
10月6日 今日の翼はより元気になりました。1日のほとんどを泣いて
いますが、ニコニコしている翼を見るとホッとします。夕食に鶏の唐揚げ
を食べましたが、翼も 「う〜、う〜」 と唸り、口に入れてやると、何度も
唸り続け、パクパク食べてしまいました。もうちょっと歯が生えると、良い
のですが、まだしばらくかかりそうです。
10月5日 昨晩は泣き続ける翼に、おんぶひもをつけて家の中を徘徊
しました。翼が寝る時も、おんぶひもはつけたままです。昨日女房は、赤
ん坊用の夜泣き・かんむしに効くという、薬を買ってきました。今日の翼の
表情は、従来の元気なものに戻りました。しかしながら我々の翼に対す
る負担も、より敏感なものになりました。さらに育児は続きます。・・・それ
にしても、昨日、今日とものすごい種類の食材を使って、幾皿の料理をこ
しらえた事でしょう。育児も仕事も参りました。
10月4日 昨晩は女房に申し出て、ボクと翼が二人で寝ました。見事に
泣き続け、1時間眠って、1時間泣く。その後1時間眠って、また1時間泣
く。泣き始めると、ボクはミルクを用意しましたが、飲みません。抱っこを
しましたが、体を反らせて、ぐずるばかりです。こんな事を深夜に繰り返し
ていると、体が熱くなってきて、抱きかかえている我が子を畳に叩きつけ
てやろうかと、本気で考えてしまいます。実際、布団の上に放り投げもしま
した。泣き止むはずもありません。抱きかかえて立ち上がり、誰もいない
食堂へ行きます。外へも出て、冷たい風にあたったりしました。そうすると
とりあえずは静かになり、眠っていきます。午前4時。たまりかねた女房
が、隣の部屋からやって来ました。選手交代です。現在まであんなに泣い
た夜もないでしょう。今日の翼はほとんど笑いませんでした。いつもニコニ
コしている翼が、何か大きなショックを受けた後のような表情でした。ボク
のような ”いらち” には今の翼を育てることは不可能です。笑わない赤
ちゃんになる理由がわかりました。参りました。つばさぁ!父さんが悪か
った。すまん!
10月3日 今日は1日ぐずぐず言っていた翼です。今朝は朝食が早く、
ボクは5時半から仕事を開始し、6時から翼をおんぶして仕事をしていま
す。お客さんがお出かけになると、ひたすら翼の機嫌取りで、夜も翼をお
んぶしながらの仕事は続きました。何がどう気に入らないのか、こちらに
はさっぱりわかりません。よだれの量が今日はとても多くて、翼の服やタ
オルはよだれ臭くなっています。今夜も何度起こされるのでしょう・・・。楽
しみです。
10月2日 近頃、翼はボクの作る離乳食を食べない時があります。離
乳食を口までスプーンで運ぶと、口を閉じたまま、う〜んと唸って身体を
反らせます。お腹がいっぱいな訳ではありません。その他3名が食べて
いるものを欲しがっているのです。別にたいしたものを食べているわけで
はありません。普通のおかずやご飯が食べたいようです。ビールなども
飲みたいようで、ボクがグラスを持つと、「うへへへへへへ〜」 と死にか
かった黄金バットのような声を出し、グラスの行方を見つめています。い
くらボクが、全日本英才教育推進委員の理事を務めているからと言っ
て、ビールを飲ませるわけにもいかず、グラスに麦茶を入れてやると、半
分おぼれながら必死に飲んでいます。何かと手間がかかります。歯がち
ゃんと生えたらうまいもん喰わしたるから、もうちょっと待て!
10月1日 テレビを見ていました。翼がアンテナコードを触って遊んでい
て、テレビからはずれてしまいました。コラッと言うボクの声に翼は驚きま
したが、コードから手を離しません。コラッ、コラッ、コラッと2,3回言い続
けました。するとボクに背中を向けていた翼が 「びぇーーーーッ!」 と
泣き出しました。叱られているのがわかったのでしょうか。ボクの怒りが、
初めて翼に伝わった出来事ですが、ヤツはきちんと学習できたでしょう
か。気になるところです。

1999年
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